278 池澤夏樹 「キトラ・ボックス」
- 2017/06/16
- 22:48
キトラ古墳に関わる大胆な謎解きなのだが、現代の陰謀を掛けることによって、読み味を軽く明るくしている。前作「アトミック・ボックス」に味を占めたか、重いテーマで良く練っているんだけれど、軽妙に仕上げている・・・・・・これは・・・『池澤夏樹の高橋源一郎化』と言っても良いかもしれない。キトラ古墳から、一対の剣と鏡が移される時代。その剣と鏡三組が、人に与えられたそのまた前の時代。そして、それらを焙り出してい...
133 池澤夏樹 「砂浜に坐り込んだ船」
- 2015/12/12
- 00:36
下の写真の帯にあるとおり、「逝ってしまった人」を題材にした短編集。彼らとの再会、彼女を送り出す話、生前会った事がないが私は良く知ってる彼と出会う話。想像力に自信がある人は、トライする価値があるかな。芥川賞の「スティル・ライフ」をオンタイムで読んだ。まぁいいなぁ、と次に手にした「マシアスギリの失脚」で腰を抜かした。日本の今に寓話を書ける人が居た。ラテンアメリカの育ちかい、この人はと。その後はエッセイ...